きなこ豆ブログ

文字を打つ練習です。きなこ豆が好物

「おいしさ」というグリッチ

(注 この文章はモーツァルトのセレナーデ第10番(K361)第3楽章を脳内再生しながら作成されました。)

 

みなさんの好きな食べ物は何だろうか、あるいは個々の食べ物にしても好きな食べ方なんてものもあって、聞けばそんな食べ方がと固定観念を突き崩されることもあるだろう。わたしはカレーに醤油をかけます。

 

私はどちらかといえば酒飲みだが、酒だけでということはほとんどなくて大抵は食事にあわせて飲んでいる。同じ食事でも、それに合うお酒とともに食べた方がほうが断然美味しいと感じるからだ。特に深酒しながら飯を食らっているときは、こんなグリッチは他にないよなぁ〜と思うことがある。

 

グリッチ、とは技術系の用語で意味には振れ幅があるようだが、少なくともここでは「使用者に便益を与える、想定外の行為」というニュアンスで使わせてもらおうと思う。

 

全然説明になってないかも知れないので具体に踏み込もう。酔っ払い(今まさにそうなのだ!)の進化論的思考によれば、人間の五感や欲求は必要があるからこそ身に付いたものである。即ち、安全で栄養のあるものを鑑別するために、快い味わいと不快な味わいとがあるのであって、それ以外の理由は思いつかない、というのがユォッポラッリ(fi: Juoppolalli)の勝手な主張である。

 

真偽のほどはいずれにせよ仮にその愚案に依拠するならば、チーズと肉と炭水化物に塩分を添え一升瓶の中身(おいしい)で喉奥へと流し込む我が様をして、健康だとか滋養のためであります、とはまず言える気がしない。そんななりでも私だって一応現代人なので、健康判定には厳しい。食生活を改めましょう。

 

だから、これは本来「摂るべき食べ物を識別する機能」であるところの味覚や嗅覚を、その識別機能である味覚や嗅覚そのものを便益の目的として利用する、即ち五感を「悪用」したグリッチなのだと思うわけだ。こんなグリッチは現代人に生まれてはこれだけだろうと思う(少なくともコストの低さとゲインの安定さではこれに勝るものはないだろう)。

 

お酒は意外に難しい部分があって、それぞれの真価を引き出すのにちょっとした工夫を要することがある。しかし私に言わせてみれば、人生にこんなにパフォーマンスのいい娯楽はなかなかない。是非あなたもこちらに来てください。仲間になりましょう(つまり飲み友を探している、という話なのでした?)。